サーキュラーエコノミーとシェアリングエコノミー

~廃棄ゼロの経済活動ループにより変化するビジネス~

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2019年11月26日

  • 経済調査部 市川 拓也

サマリー

◆サーキュラーエコノミーとは、製品を資源から生産し、使用後に廃棄して終了する直線を描くのではなく、製品のまま、あるいは修理して他人が再び利用する、廃棄物を部品や資源に分解して再び製品にするというように円形状に回していく経済のしくみである。このサーキュラーエコノミーは既存資産の活用や、不特定多数による資産の利用において、シェアリングエコノミーと親和性が高い。

◆メーカー等がサーキュラーエコノミーを研究し、事業化しているのは環境への取り組みをアピールするためだけではない。自社で出る廃棄物の活用や、顧客に販売した製品を使用後に回収し再生産することにより、ビジネスとして経済的なメリットを得るためでもある。

◆世界的な競争力、持続可能な経済成長、雇用創出の観点から、すでに欧州委員会は新「サーキュラー・エコノミー・パッケージ」を採択している。法的規制や規格に適合しない企業は市場から排除される可能性があるだけに、こうした動きには日本企業による早期の対応が求められる。また、政府・企業が一体となって規制等で不利にならないよう働きかけることも必要である。

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