サマリー
◆政府は成長戦略の中で「日本版MaaS」を推進している。「日本版MaaS」は大都市における交通の利便性向上だけでなく、地方における交通空白地域の交通網・物流網の確保や訪日外国人の移動の円滑化等も視野に入れている点に特徴がある。
◆2019年6月に国土交通省は日本版MaaSに関し、19の先行モデル事業を選定しており、各地で実証実験が行われている。なかでも、神奈川県川崎市・箱根町の実証実験は商業施設での購入者に無料バスのチケットが発行されるサービスや、飲食店等でのサブスクリプション活用といった通常のMaaS枠を超えた実験であり、その成果が注目される。
◆MaaSの日本での課題として挙げられるのは、住民の認知度の低さに加え、民間企業によるMaaSのオペレーションがビジネスとして成り立つのかという点である。しかし、そもそもMaaSの価値とは、交通機関の組み合わせから大きな付加価値を作り出すことではなく、その国や地域が抱える社会的課題の解決にこそ価値がある。人口減少が続き、地方で過疎化が進む日本において行政主導で社会的課題の解決を図っていくことも必要かもしれない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
MaaS:移動のシェアで社会的課題を解決(後編)
~日本版MaaSが本格実施へ向かうも、安定した事業運営は可能か~
2020年02月18日
-
サーキュラーエコノミーとシェアリングエコノミー
~廃棄ゼロの経済活動ループにより変化するビジネス~
2019年11月26日
-
拡大するシェアオフィス市場と働き方改革
~企業にメリット、政府の政策実現の手段にも~
2019年10月23日
-
「食品ロス削減」で知っておくべきこと(前編)
~食品ロス削減推進法と食品ロス削減に向けた取り組み~
2019年09月17日
-
シェアハウス:シェアエコ時代における可能性
~民泊だけでない「住居のシェア」~
2019年07月22日
-
サブスクリプションとシェアリングエコノミー
「所有から利用へ」がもたらすビジネス再構築
2019年04月25日
同じカテゴリの最新レポート
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
なぜ企業は同じ情報を何度も提出しなければならないのか
公的統計のデジタル化を問う①-負担軽減の「効果」
2026年10月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

