2020年3月機械受注

外出自粛の影響を受けた受注増もあり、民需は小幅減にとどまる

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2020年05月20日

  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉
  • 小林 俊介

サマリー

◆2020年3月の機械受注(船電除く民需)は前月比▲0.4%と減少したものの、コンセンサス(同▲6.7%)を上回った。業種別に見ると、製造業は同▲8.2%と2ヶ月連続で減少した。電気機械、自動車・同付属品からの受注が大幅に減少した。一方、非製造業(船電除く)は同+5.3%と2ヶ月連続で増加した。宿泊業や飲食店を含むその他非製造業などからの受注が減少したものの、運輸業・郵便業、通信業など、外出自粛の影響で需要が増加した業種からの受注の大幅増が相殺した。

◆2020年1-3月期の民需(船電除く)は、前期比▲0.7%と小幅ながら3四半期連続で減少した。4-6月期も同▲0.9%と減少が見込まれている。なお、見通しの集計期日は3月末であり、緊急事態宣言後の自粛要請等による悪影響は織り込まれていない。実際はこれ以上に減少する可能性が高いだろう。

◆外需は前月比▲1.3%であった。4-6月期は前期比▲13.7%と各国政府による新型コロナウイルス感染拡大防止策の影響を受けて大幅な悪化が見込まれている。

◆先行きの民需(船電除く)は減少基調が続くだろう。企業業績の悪化懸念や手元資金の確保動機の強まりに加え、先行き不透明感の増大もあり、企業は当面設備投資を手控えるとみられる。

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