サブスクリプションとシェアリングエコノミー

「所有から利用へ」がもたらすビジネス再構築

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2019年04月25日

  • 経済調査部 市川 拓也

サマリー

◆サブスクリプションとは、月額などで一定の料金でサービスを購入できる契約形態であり、一般に「定額制」と言われることが多い。ただし、料金が一定金額に設定されているだけでなく、むしろ顧客が契約更新によって継続的にサービスを利用し続ける点に大きな意味があると考えられる。

◆シェアリングエコノミーはインターネット上のマッチングにより、基本的には個人が「保有」する余った資産やスキルを他人が「利用」できるようにする経済のしくみであるが、専ら個人の保有する資産・スキルを他人も利用可能なサービスとすることから、一種の「サービス化」とみることができる。

◆ビジネスの観点からすると、サブスクリプションでは顧客に飽きさせない工夫が必要となり、豊富な「品揃え」はそのうちの一つの手段となり得る。シェアリングエコノミーもシェア事業者からすれば、豊富で魅力的な提供者が存在すること、言い換えれば「品揃え」の充実が鍵を握ると考えられる。また、顧客データの分析を通じて顧客獲得・継続利用を進めている点も両者の似た部分である。

◆サブスクリプションもシェアリングエコノミーも予約購読や共同利用として以前から存在する。両者の昨今の隆盛はインターネットやデータの蓄積・分析をてこに、プラットフォーマーによるビジネス化、又は既存のビジネスの再構築との見方もできる。

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