サマリー
◆シェアリングエコノミー・モデルガイドラインの改訂が記載された「シェアリングエコノミー検討会議 第2次報告書」が公表された。今回の改訂では、シェア事業者(=シェアリングエコノミーのプラットフォーマー)の社会に対する説明責任を明確に打ち出し、取引等への関与の充実を図っている点が大きな特徴である。
◆前モデルガイドラインと比べ、シェア事業者が遵守すべき事項が複数、追加された。改定箇所は「提供者・利用者の不安感の解消」に通ずるものであり、また、提供者等に対し、メールでの注意喚起を行うなどといった能動的な対応も含まれている。
◆シェアリングエコノミー協会ではモデルガイドラインに沿った自主ルールを策定し、審査・認証するシェアリングエコノミー認証制度を行っているが、改訂に伴い認証制度におけるハードルも引き上げられるものとみられる。負担増によって、特に規模の小さなスタートアップのシェア事業者が認証取得へ意欲を減退させることのないよう、何らかの配慮が必要であろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
新法による民泊、法施行後1年でどうなったのか
届出住宅数は低水準ながらも、増加傾向続く
2019年05月28日
-
サブスクリプションとシェアリングエコノミー
「所有から利用へ」がもたらすビジネス再構築
2019年04月25日
-
シェアリングエコノミーにおける消費者保護の視点
シェア事業者の信用と提供者・利用者のリテラシーの向上
2019年01月11日
-
シェアリングエコノミーによる地域の課題解決
~IT技術の進歩が可能にする地方創生~
2016年11月10日
-
シェアリングエコノミーへの期待と課題
~日本経済の健全な成長に向けて~『大和総研調査季報』 2016年秋季号(Vol.24)掲載
2016年12月01日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
米GDP 前期比年率+2.8%と加速
2024年4-6月期米GDP:内需主導での堅調さを維持
2024年07月26日
-
監査・ガバナンス強化へ回帰する英国
昨年撤回した監査強化方針を復活し、ガバナンス・コードも厳格化へ
2024年07月25日
-
女性がキャリアを築ける職場ほど、子どもを持ちやすい
健保組合ごとの被保険者・被扶養者の出生率と、その要因の多変量解析
2024年07月24日
-
GX経済移行債に期待されるインパクトレポーティング
~GXの理解醸成促進に向けて~『大和総研調査季報』2024年夏季号(Vol.55)掲載
2024年07月24日
-
盛り上がりに欠ける英国の政権交代
2024年07月26日
よく読まれているリサーチレポート
-
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
-
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日