サマリー
◆10月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲9.2%と11ヶ月連続で減少し、コンセンサス(同▲7.5%)を下回った。輸入金額は同▲14.8%と大幅に減少し、その結果貿易収支は173億円と4ヶ月ぶりの黒字となった。
◆前年比で見た輸入金額の大幅減は消費増税による駆け込み需要の反動減、大型の台風19号の影響があったとみられる。加えて、2018年は9月に台風21号の影響で関西国際空港が閉鎖され、10月はその反動で大幅に増加した。今年はその裏の影響が出たことも押し下げの要因となった。
◆先行きの輸出数量は、地域ごとに濃淡はあるものの、総じてみると世界経済減速の影響を受けて力強さを欠く動きが続くとみている。ただし、これまでの減少基調から下げ止まりの兆しが見え始めている。アジア向けは低水準の推移が続くも、これまでの減少基調から下げ止まるとみている。EU向けでは自動車輸出が全体を下支えするものの減少基調が続くだろう。他方、米国向けは横ばい圏で推移するだろう。
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