サマリー
◆8月の生産指数は前月比▲1.2%と2ヶ月ぶりに低下し、コンセンサス(同▲0.5%)を下回った。8月の輸出数量指数は同▲4.5%と大幅に低下しており、外需の弱さが影響したとみられる。
◆出荷指数と在庫指数を見ると、出荷指数が前月比▲1.4%と2ヶ月ぶりに低下し、在庫指数は同0.0%と横ばいであった。その結果、在庫率指数は同+2.8%と上昇に転じた。在庫率は高水準を維持しており、当面は生産の調整圧力が残存するだろう。
◆製造工業生産予測調査によると、9月は前月比+1.9%、10月は同▲0.5%である。また、計画のバイアスを補正した9月の生産指数(経済産業省による試算値、最頻値)は同+0.3%と推計されている。9月は増税前の駆け込み需要を背景とした一部業種における上昇が見込まれるものの、10月以降の基調は外需の悪化を受け、足踏みが続くだろう。
◆10月7日に公表予定の8月景気動向指数の一致CIは前月差▲0.3ptの99.4と予想する。この数値を前提とすると、基調判断は「悪化」へ下方修正される。「悪化」となるのは2019年4月以来となる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年3月雇用統計
失業率は上昇するも、求人倍率が上昇するなど雇用環境は悪くない
2025年05月02日
-
消費データブック(2025/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年05月02日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日