サマリー
◆6月の生産指数は前月比▲3.6%と3ヶ月ぶりに低下し、コンセンサス(同▲1.7%)を大幅に下回った。5月は10連休中に稼働した工場も多かったようであり、季節調整がうまくかかっていない可能性があった。こうした特殊要因による上昇からの反動という面もあるが、基調としても弱い。
◆4-6月期は、前期比+0.5%と2四半期ぶりに僅かながら増産となったが、1-3月期(同▲2.5%)からの戻りは弱い。経済産業省は基調判断を「一進一退」で据え置いた。
◆出荷指数と在庫指数を見ると、出荷指数が前月比▲3.3%と3ヶ月ぶりに低下し、在庫指数は同+0.3%と2ヶ月連続で上昇した。出荷が大幅に減少した一方で、在庫は削減されておらず、在庫率は上昇傾向にある。6月の在庫率は同+2.8%と2ヶ月連続で増加し、10年ぶりの高水準となった。出荷にも力強さが見られないことから当面は調整局面が継続する可能性が高い。
◆先行きを製造工業生産予測調査で見ると、7月は前月比+2.7%、8月は同+0.6%である。また、計画のバイアスを補正した7月の生産指数(経済産業省による試算値、最頻値)は同▲0.3%と推計されている。当面は弱い動きが続くだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
国内旅行消費、押し上げの鍵は「分散化」
国・自治体・企業の連携で旅行の時期を分散し費用減と混雑の緩和を
2025年07月11日
-
経済指標の要点(6/18~7/11発表統計分)
2025年07月11日
-
有効求人倍率の低迷は実態を表しているのか?
業務統計であるが故のデータの振れや集計対象の偏りに注意
2025年07月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日