2019年3月雇用統計

失業率は上昇も自発的な離職によるもの、タイトな労働需給は続く

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2019年04月26日

  • 鈴木 雄大郎
  • 小林 俊介

サマリー

◆【3月の失業率】完全失業率(季節調整値)は前月から0.2%pt上昇し2.5%となった。失業者数は前月差+14万人と2ヶ月ぶりに増加し、就業者数も同+18万人と2ヶ月連続で増加した。

◆【3月の有効求人倍率】有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.63倍となった。また、新規求人倍率(同)は前月から0.08pt低下し、2.42倍となった。また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.01pt上昇し、1.16倍、新規求人倍率(同)も前月から横ばいの1.69倍となった。

◆【2月の賃金(毎月勤労統計)】現金給与総額(共通事業所ベース)は前年比+0.3%であった。内訳を見ると、所定内給与(同+0.9%)と増加した一方、所定外給与(同▲0.4%)、特別給与(同▲26.0%)は減少した。

◆【先行き】労働需給はタイトな状況が続き、失業率は上下しながらも2%台半ばで推移するだろう。2019年度以降導入される残業規制等を背景に、企業の人手不足感は一層強まるとみている。特に人手不足が深刻な産業では、正社員化や賃金引上げといった処遇の改善や省人化投資が求められる。

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