2019年2月貿易統計

輸出数量は反動増。ただし春節の影響を均すとアジア向けでは弱い

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2019年03月18日

  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介

サマリー

◆2月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲1.2%と前月(同▲8.4%)からマイナス幅を縮小、輸入金額は同▲6.7%と前月(同▲0.8%)からマイナス幅を拡大した。貿易収支は3,390億円と5ヶ月ぶりの黒字となった。

◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比+6.6%と増加した。地域別では、アジア向け(同+7.4%)、米国向け(同+1.4%)、EU向け(同+7.2%)と総じて増加した。ただしアジアでは春節の影響がある。アジア向けの輸出数量を1、2月で均してみると、12月比▲2.5%と春節の影響を割り引くと前月比減となり、アジア単体では弱さが見られる。米国では、原動機が全体の増加に寄与した。前月の大幅減の反動とみられるが、均してみるとピークアウト感が見られる。EUでは自動車と船舶が全体を押し上げた。ただし船舶は振れの大きい項目であり、割り引いてみる必要があるだろう。春節や船舶といった特殊要因を踏まえると、輸出数量の基調はヘッドラインの数字ほど強くはない可能性が高い。

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