2018年12月貿易統計

輸出数量はほぼ横ばい。米国、EU向けは増加したものの、アジア向けが減少

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2019年01月23日

  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介

サマリー

◆12月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲3.8%と前月(同+0.1%)からマイナス転換、輸入金額は同+1.9%と前月(同+12.5%)からプラス幅が縮小した。貿易収支は▲553億円と3ヶ月連続の赤字となった。季節調整値で見ると、輸出金額は前月比▲1.3%、輸入金額は同▲5.3%となった結果、貿易収支は▲1,836億円と6ヶ月連続の赤字となった。

◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比+0.3%とほぼ横ばいだった。地域別では、米国向け(同+5.9%)、EU向け(同+5.2%)が増加した一方、アジア向け(同▲2.5%)は減少した。米国では、自動車の部分品が大幅に増加した。自動車の部分品は、18年に入り振れが大きくなっているが均して見れば緩やかな増加傾向である。EUでは、自動車が全体を押し上げた。ただし欧州の新車登録は、18年9月から導入された新燃費試験の影響で軟調である。自動車輸出についても均してみれば緩やかな減少傾向が続いている。アジアでは、半導体等製造装置の減少が全体を下押しした。半導体等製造装置は18年半ばごろから急速に減少しており、注意が必要である。

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