2018年11月貿易統計

輸出数量は特殊要因を均せば、ほぼ横ばい。ただし基調は弱い

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2018年12月19日

  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介

サマリー

◆11月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+0.1%と前月(同+8.2%)からプラス幅が縮小、輸入金額も同+12.5%と前月(同+19.9%)からプラス幅が縮小した。貿易収支は▲7,373億円と2ヶ月連続の赤字となった。

◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比▲2.6%と減少した。地域別では、米国向け(同▲3.6%)、EU向け(同▲1.6%)、アジア向け(同▲2.8%)など総じて減少。米国では、鉄鋼の減少が大きかった。10月の反動が出たものとみられる。もっとも、鉄鋼は2014年末ごろからトレンドとして減少傾向であった上に、最近は追加関税の影響で軟調である。EUでは、半導体等製造装置が全体を押し下げた。EU向け半導体等製造装置は、2018年の中ごろに急増していたものの、すでにピークアウトしており、2017年後半の水準まで減少している。アジアでは、船舶が大きく伸びたものの、自動車の減少が全体を下押しした。アジア向け自動車は、18年に入り振れが大きくなっているが、均して見れば軟調な推移が続いている。

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