2018年10月貿易統計

自然災害からの反動増が見られるが、水準はピーク時に及ばず

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2018年11月19日

  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介

サマリー

◆10月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+8.2%と前月(同▲1.3%)からプラス転換、輸入金額は同+19.9%と前月(同+7.0%)からプラス幅が拡大した。貿易収支は▲4,493億円と2ヶ月ぶりの赤字となった。

◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比+6.5%と大幅に増加した。9月の自然災害からの反動が出たようだが、9月、10月の平均は8月比▲2.3%と均して見ると弱い。水準についても17年末ごろの高水準を下回っており、ピークアウト感がある。

◆輸出数量を地域別で見ると、米国向け(前月比+4.2%)、EU向け(同+8.8%)、アジア向け(同+4.8%)など総じて増加。米国では、鉄鋼の増加が大きかった。鉄鋼は2014年末ごろからトレンドとして減少傾向であった上に、追加関税の影響で軟調であったが、一旦は増加。EUでは自動車が大きく増加した。欧州の自動車販売については、新しい燃費基準の導入に伴い9月に大きく減少していた反動とみられる。アジアでは、自動車が18年中ごろから軟調な推移となっていたものの、足下では大きく反発している。

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