2018年8月雇用統計

就業者は男女ともに10万人以上の大幅増、全体として力強い結果に

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2018年09月28日

  • 竹山 翠
  • 小林 俊介

サマリー

◆【8月の雇用】完全失業率(季節調整値)は、前月から0.1%pt低下し2.4%となった。失業者数は前月差▲5万人と3ヶ月ぶりに減少し、就業者数は同+26万人と2ヶ月連続で増加した。また、非労働力人口は同▲24万人と2ヶ月連続で減少した。6、7月は完全失業率の上昇が続くなど力強さに欠ける結果となっていたが、8月は一転して良好な内容となった。

◆【7月の賃金】現金給与総額は前年比+1.6%と12ヶ月連続で増加した。6月の現金給与総額(同+3.3%)に比べると伸びは鈍化したが、6月は特別給与(同+6.3%)による押し上げ効果があったことに鑑みれば、7月も悪くない結果だといえよう。内訳を見ると、所定内給与(同+1.0%)、所定外給与(同+1.6%)、特別給与(同+2.8%)の全ての項目で増加した。

◆【先行き】労働需給はタイトな状況が続き、失業率は上下しながらも2%台半ばで推移するだろう。2019年度以降導入される予定の残業規制等を背景に、企業の人手不足感は一層強まるとみている。特に人手不足が深刻な産業では、正社員化や賃金引上げといった処遇の改善や省人化投資が求められる。

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