サマリー
◆2018年7月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+3.9%と前月(同+6.7%)からプラス幅が縮小、一方、輸入金額は同+14.6%と前月(同+2.6%)からプラス幅が拡大した。貿易収支は▲2,312億円と2ヶ月ぶりの赤字となった。
◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比▲0.2%と3ヶ月連続で減少。地域別では、米国向け(同▲0.4%)、EU向け(同▲1.2%)で減少したが、アジア向け(同+1.7%)は増加した。米国では、牽引役となっていた自動車が5、6月で大きく減少し、7月も微減となった。米国内の自動車販売も軟調で、輸出についてもピークアウト感が見られる。EUは、2017年中ごろから増勢が頭打ちである。足下では原動機の減少が全体を押し下げているが、前月の大幅増の反動とみられる。アジアは、半導体等製造装置を中心とした伸びが2017年末ごろから鈍化しているが、7月は中国の自動車関税等の引き下げ効果で底堅く推移したものとみられる。
◆中国政府は7月1日から、自動車および自動車部品、1,449項目に及ぶ日用品などの関税率を引き下げた。対象品目の輸出数量を見たところ、全体の前年比プラス幅拡大(7月:前年比+7.9%、6月:同+4.8%)に寄与したのは、自動車、医薬品、音響・映像機器、半導体等製造装置などであった。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年7月機械受注
金融業・保険業、不動産業などの受注減で軟調な結果
2025年09月18日
-
2025年8月貿易統計
トランプ関税や半導体需要減の影響継続で輸出金額は4カ月連続減少
2025年09月17日
-
トランプ関税でインバウンドに黄色信号
中国人旅行客の伸びしろは大きいものの、他国の状況は厳しい
2025年09月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日