2018年4月貿易統計

輸出数量は2ヶ月連続で増加、EU向け船舶と世界的な自動車の増加が牽引

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2018年05月21日

  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介

サマリー

◆2018年4月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+7.8%(市場コンセンサス:同+8.7%)と前月(同+2.1%)からプラス幅が拡大、輸入金額は同+5.9%と前月(同▲0.6%)からプラス転換した。貿易収支は6,260億円と2ヶ月連続の黒字となった。

◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比+3.7%と2ヶ月連続で増加した。地域別に見ると、EU向け(同+18.4%)、米国向け(同+5.5%)、アジア向け(同+0.8%)で幅広く増加した。商品別に見ると、EU向けでは船舶の大幅な増加があった他、自動車も全体の押し上げに寄与した。米国向け、アジア向けでも自動車が大きく増加しており、全体を押し上げている。

◆先行きの輸出数量について、増加基調は維持するがその増勢は鈍化するとみている。2017年度の輸出は、米国を中心とした在庫循環上の回復や共産党大会を控えた中国経済の加速に支えられてきたが、今後はこれらのプラス要因が剥落するとみている。ただし、海外経済が大きく腰折れする可能性は低く、米国の減税効果という新たなプラス要因が顕在化することで増加基調は維持されるとみている。

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