サマリー
◆2018年3月の生産指数は前月比+1.2%となり、2ヶ月連続で上昇した。生産は増加した一方、出荷は減少し、在庫水準は上昇した。製造工業生産予測調査で見ると、2018年4月:同+3.1%、5月:同▲1.6%となっている。また、4月の先行き試算値(生産計画のバイアスを補正した値)は同+1.4%となっている。
◆1-3月期の生産は前期比▲1.4%となり、8四半期ぶりに低下した。1-3月期の生産には一服感が表れたものの、4月の計画は前月比+3.1%と、3ヶ月連続のプラスを見込んでいる。世界経済の拡大を背景として、生産は引き続き堅調に推移するだろう。ただし、足下で在庫水準が積み上がっている点には注意が必要であり、増産ペースは徐々に減速していくものとみられる。
◆6月以降に関しては、非常に緩やかな増産を見込んでいる。資本財については、増勢が弱まる可能性はあるものの、世界経済の拡大を背景として堅調さを保つであろう。国内向けの設備投資についても、2018年においては好調な企業業績と更新需要が全体を押し上げるとみている。一方、外需の下振れリスクには警戒が必要である。米国の保護主義的な政策とそれに伴う各国の対抗措置により、通商摩擦が激化する場合には、世界貿易の停滞へと繋がる。また、FedとECBの出口戦略が、世界経済の成長を下押しする可能性にも留意する必要があろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年8月機械受注
非製造業(船電除く)を中心に弱含み、政府は基調判断を下方修正
2025年10月16日
-
経済指標の要点(9/13~10/15発表統計)
2025年10月16日
-
25年度最低賃金改定の総括と今後の焦点
新政権では欧州型目標の導入など最低賃金政策の再考を
2025年10月14日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日

