2017年10月貿易統計

半導体需要の高まりを背景にEU、アジア向けが輸出数量を押し上げ

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2017年11月20日

  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介

サマリー

◆2017年10月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+14.0%(市場コンセンサス:同+15.7%)と前月(同+14.1%)からプラス幅がわずかに縮小した。アジア向け輸出数量が増加したことが背景にある。10月の税関長公示レートは112.40円/ドルと、前年比で見ると9.8%の円安水準であった。


◆季節調整値で見ると、輸出金額は前月比+2.0%、輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比+0.7%と2ヶ月ぶりに増加した。地域別に見ると、米国向け(同▲2.2%)は、半導体等製造装置や自動車の減少が影響したようだ。一方、全体を押し上げたのはEU向け(同+4.1%)とアジア向け(同+3.9%)であった。


◆先行きの輸出について、海外経済が底堅い成長を続ける中、緩やかな増加基調をたどるとみている。ただし、外需に関しては下振れリスクに警戒が必要である。米国では、Fedが金融引締めを着実に実行し続けている。これに伴い、米国経済の減速や新興国市場からの資金流出を招く可能性がある。

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