サマリー
◆2017年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.4%(前期比+0.3%)と7四半期連続のプラス成長となり、市場コンセンサス(前期比年率+1.5%、前期比+0.4%)にほぼ一致して着地した。天候不順の影響なども重なり、4-6月期の成長加速に寄与した個人消費や公共投資がマイナスに転じたものの、輸出の増加が成長を牽引した。なお、輸入物価の落ち着きに伴う交易条件の改善や、緩やかながらも国内における価格転嫁が進展した結果としてGDPデフレーターは3四半期ぶりに上昇(前期比+0.3%)に転じた。名目GDPは前期比年率+2.5%(前期比+0.6%)と2四半期連続の増加となった。
◆先行きの日本経済は、基調として緩やかな拡大傾向が続く見込みである。個人消費を中心とした内需は回復傾向が続くと同時に、世界経済の拡大を背景とした底堅い外需が日本経済の成長を支えるだろう。ただし、共産党大会後の中国経済の減速懸念や地政学的リスクの高まりなど、外需の下振れリスクには警戒が必要である。また、Fedの金融引締めに伴う米国経済の減速や、新興国からの資金流出などにも一定の注意を払っておく必要があるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
2025年11月貿易統計
主力の米国向け自動車の輸出が急回復し、貿易収支は黒字に転換
2025年12月17日
-
2025年10月機械受注
民需(船電除く)は2カ月連続で増加、基調判断は上方修正
2025年12月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

