サマリー
◆2017年8月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+18.1%と、前月(同+13.4%)からプラス幅が拡大した。アジア向け輸出数量などの増加幅が拡大したことが要因となった。8月の税関長公示レートは110.77円/ドルと、前年比で見ると7.3%の円安水準であった。
◆季節調整値で見た輸出金額は前月比+1.2%と2ヶ月連続、輸出数量は同+2.7%(季節調整値は大和総研による)と4ヶ月連続で増加した。輸出数量を地域別に見ると、アジア向けが同+3.6%と増加した一方、米国向けが同▲2.2%、EU向けが同▲1.7%と減少した。
◆先行きの輸出について、海外経済が底堅い成長を続けるなか、緩やかな増加基調をたどるとみている。ただし、外需に関しては下振れリスクに警戒が必要である。特に、米国ではFedが利上げと保有資産の圧縮を行うことが見込まれ、これに伴い、米国経済の減速や新興国市場からの資金流出を招く可能性がある。
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