2017年7月貿易統計

輸出数量は米国向けが急増するも全体としては緩やかな伸び

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2017年08月17日

  • 笠原 滝平
  • 小林 俊介

サマリー

◆2017年7月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+13.4%と、前月(同+9.6%)からプラス幅が拡大した。前年比で見た輸出価格のプラス幅が拡大(6月:同+5.5%→7月:同+10.5%)したことが影響した。背景には7月の税関長公示レートが112.41円/ドルと、前年比で見ると9.0%の円安水準であったことが考えられる。


◆季節調整値で見た輸出金額は前月比+2.8%、輸出数量は同+0.4%(季節調整値は大和総研による)と3ヶ月連続で増加した。輸出数量を地域別に見ると、米国向けが同+5.3%、アジア向けが同+1.1%と増加した一方、EU向けが同▲1.7%と減少した。


◆先行きの輸出について、海外経済が底堅い成長を続けるなか、欧州向け輸出を中心に、緩やかな増加基調をたどるとみている。ただし、外需に関しては下振れリスクに警戒が必要である。特に、米国ではFedが利上げと保有資産の圧縮を行うことが見込まれ、これに伴い、米国経済の減速や新興国市場からの資金流出を招く可能性がある。

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