2017年6月全国消費者物価

来年はゼロインフレ方向へ後戻りする可能性

RSS

2017年07月28日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆2017年6月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.4%と6ヶ月連続のプラスとなり、市場コンセンサス(同+0.4%)通りの結果となった。財・サービス別(4分類)の寄与度の「変化」を見ると、「耐久消費財」「半耐久消費財」が小幅に押し上げ、エネルギーを含む「コア非耐久消費財(除く生鮮食品)」が概ね横ばい、「サービス」が小幅に押し下げに寄与した。


◆2017年7月の東京都区部コアCPI(中旬速報値)は、前年比+0.2%(6月:同+0.0%)となった。前月からの寄与度の「変化」を確認すると、「耐久消費財」「コア非耐久消費財」「サービス」が押し上げに寄与した一方で、「半耐久消費財」は概ね横ばいとなった。7月の東京都区部コアCPIの結果を踏まえると、7月の全国コアCPIは前年比+0.5%と見込まれる。


◆先行きの全国コアCPIの前年比は、基調として見ると当面プラス幅を緩やかに拡大させるとみている。ただし、ドル円レートと原油価格が現在の水準で推移する場合、2017年秋以降に、全国コアCPIの上昇ペースが鈍化し始めるとみられる。さらに、2018年の全国コアCPIに関しては、ゼロインフレ方向に後戻りする可能性が出始めている。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。