4月機械受注
前月比▲3.1%。非製造業の受注に一服感
2017年06月12日
サマリー
◆2017年4月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、市場コンセンサス(同+0.5%)に反して、前月比▲3.1%と3ヶ月ぶりに減少した。製造業が同+2.5%と3ヶ月連続で増加したものの、非製造業(船舶・電力を除く)が同▲5.0%と2ヶ月連続で減少したことが全体を押し下げた。
◆内閣府が公表している4-6月期見通しは、民需(船舶・電力を除く)が前期比▲5.9%と2期連続でのマイナスを見込んでいる。需要者別に見ると、製造業が同▲1.1%、非製造業(船舶・電力を除く)が同▲9.6%とともにマイナスとなっている。4月の結果を見ると、製造業はプラス、非製造業についても見通しよりはマイナス幅の小さいスタートとなったものの、非製造業の受注に一服感が表れていることは気掛かりだ。
◆設備投資の先行指標である機械受注は、一進一退の推移を見込んでいる。製造業においては、世界経済の回復がもたらす輸出拡大により、稼働率の上昇が持続するようであれば、企業が設備投資を積極化させる動きが出てこよう。非製造業においては、増加を続ける訪日外国人や2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた交通・物流インフラ整備向けの投資が期待されるものの、ここまで高水準での受注が続いてきた反動が現れている点は気掛かりだ。また、省力化投資という観点では、「電子計算機」「運搬機械」「産業用ロボット」の三つの機種の受注動向に注目したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月19日
コロナ禍での中小企業の資金繰り動向
資金繰りとバランスシートの頑健性を点検
-
2021年01月19日
消費データブック(1/19号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
-
2021年01月19日
何故、ミャンマーじゃないの
ミャンマーとベトナム、明暗分かれる
-
2021年01月18日
経済指標の要点(12/16~1/18発表統計分)
-
2021年01月20日
新たな科学技術・イノベーション政策への期待
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く