サマリー
◆2017年4月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、市場コンセンサス(同+0.5%)に反して、前月比▲3.1%と3ヶ月ぶりに減少した。製造業が同+2.5%と3ヶ月連続で増加したものの、非製造業(船舶・電力を除く)が同▲5.0%と2ヶ月連続で減少したことが全体を押し下げた。
◆内閣府が公表している4-6月期見通しは、民需(船舶・電力を除く)が前期比▲5.9%と2期連続でのマイナスを見込んでいる。需要者別に見ると、製造業が同▲1.1%、非製造業(船舶・電力を除く)が同▲9.6%とともにマイナスとなっている。4月の結果を見ると、製造業はプラス、非製造業についても見通しよりはマイナス幅の小さいスタートとなったものの、非製造業の受注に一服感が表れていることは気掛かりだ。
◆設備投資の先行指標である機械受注は、一進一退の推移を見込んでいる。製造業においては、世界経済の回復がもたらす輸出拡大により、稼働率の上昇が持続するようであれば、企業が設備投資を積極化させる動きが出てこよう。非製造業においては、増加を続ける訪日外国人や2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた交通・物流インフラ整備向けの投資が期待されるものの、ここまで高水準での受注が続いてきた反動が現れている点は気掛かりだ。また、省力化投資という観点では、「電子計算機」「運搬機械」「産業用ロボット」の三つの機種の受注動向に注目したい。
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