サマリー
◆2017年4月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+7.5%と、5ヶ月連続で前年を上回ったものの、市場コンセンサス(同+8.0%)を下回った。前年比で見た輸出数量のプラス幅は縮小(3月:同+6.6%→4月:同+4.1%)したことに加えて、輸出価格のプラス幅も前月から縮小(3月:同+5.0%→4月:同+3.2%)した。また、4月の税関長公示レートは110.92円/ドルと、前年比で見ると0.3%の円高水準にある。
◆季節調整値で見た輸出金額は前月比▲0.2%、輸出数量は同▲1.7%(季節調整値は大和総研による)とともに2ヶ月連続の減少となった。輸出数量を地域別に見ると、米国向けが同+3.1%、EU向けが同+2.1%と2ヶ月ぶりに増加した一方、アジア向けは同▲1.0%と2ヶ月連続で減少した。
◆先行きの輸出については、海外経済が底堅い成長を続けるなか、引き続き緩やかな増加基調をたどるとみている。ただし、外需に関しては下振れリスクに警戒が必要である。特に、トランプ米大統領が保護貿易主義的な政策を推し進めた場合、世界の貿易を停滞させる可能性があり、中長期的なリスク要因になると考えられる。
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