サマリー
◆2017年3月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+12.0%と、4ヶ月連続で前年を上回り、事前コンセンサス(同+6.2%)を大きく上回った。前年比で見た輸出数量のプラス幅は縮小(2月:同+8.3%→3月:同+6.6%)したものの、輸出価格のプラス幅は前月から拡大(2月:同+2.8%→3月:同+5.0%)した。
◆季節調整値で見た輸出金額は前月比▲3.5%と8ヶ月ぶりの減少、輸出数量は同▲2.8%(季節調整値は大和総研による)と2ヶ月ぶりの減少となった。輸出数量を地域別に見ると、米国向けが前月比▲1.4%、EU向けが同▲1.3%、アジア向けは同▲7.3%といずれも2ヶ月ぶりに減少となった。アジア向けについては、春節の影響で2月の輸出が上振れしており、その反動が出たものと思われる。
◆輸入金額の減少を受けて2016年度の貿易収支は4兆69億円と6年ぶりに黒字に転じた。
◆先行きの輸出については、海外経済が底堅い成長を続けるなか、引き続き緩やかな増加基調をたどるとみている。ただし、トランプ政権の成立を受け、米国の通商政策に不透明感がある点はリスク要因として挙げられよう。仮に日米貿易摩擦問題が表面化するようなこととなれば、日本の輸出産業は打撃を受ける可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月消費統計
実質消費支出は上振れも、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年07月04日
-
消費データブック(2025/7/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年07月02日
-
2025年6月日銀短観
業況判断DI(最近)は底堅いが、先行きへの強い警戒が示された内容
2025年07月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日