2月雇用統計

完全失業率は2%台へ突入

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2017年03月31日

  • デジタルソリューション研究開発部 田中 誠人
  • 小林 俊介

サマリー

◆労働力調査によると、2017年2月の完全失業率(季節調整値)は、前月から0.2%pt低下し、2.8%となった。1994年6月以来、22年8ヶ月ぶりの低水準である。失業者数は前月差▲8万人と2ヶ月連続で減少した一方、就業者数は同▲21万人と3ヶ月ぶりに減少した。また、非労働力人口は同+31万人と2ヶ月連続で増加した。


◆一般職業紹介状況によると、2017年2月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.43倍となった。一方、新規求人倍率(季節調整値)は前月から0.01pt低下し、2.12倍となった。2月の求人倍率の内訳について、求職側を見ると、有効求職者数は前月比▲0.5%と2ヶ月ぶりに減少した一方、新規求職申込件数は同+0.5%と2ヶ月ぶりに増加した。求人側を見ると、有効求人数は同▲0.7%と13ヶ月ぶりに減少した一方、新規求人数は同+0.2%と2ヶ月ぶりに増加した。


◆先行きの労働需給は、非製造業を中心とする人手不足感の継続を背景に、タイトな状況が続く見通しである。4月3日に公表される3月日銀短観においても、雇用人員判断DIが非製造業と中小企業を中心にマイナス幅を拡大させる可能性がある。ただし、ほぼ完全雇用状態に達しているため、就業者数の増加ペースと失業者数の減少ペースが緩やかなものにとどまることで、完全失業率の低下速度は鈍化するとみている。

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