2017年3月日銀短観予想

業況感は大企業を中心にしっかりと改善する見通し

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2017年03月24日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆4月3日に公表予定の2017年3月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は14%pt(前回調査からの変化幅:+4pt)、大企業非製造業の業況判断DI(最近)は21%pt(同:+3pt)と予想する。前回の12月日銀短観において、企業は先行きの業況に慎重な見方を示していたものの、海外経済の改善に伴う輸出の増加などを背景に、日本経済が緩やかに持ち直す中、企業の業況感は製造業と非製造業のいずれもしっかりと改善する見込みだ。


◆製造業は、海外経済の持ち直しの動きが続く中で、為替レートが11月以降に円安方向に振れたことや、これまでのエネルギー・素材価格の上昇などがプラスに作用した格好だ。非製造業に関しては、円安などに伴って投入コストが増加する中でも経常利益(法人企業統計ベース)が過去最高水準で推移するなど、足下の良好な事業環境が日銀短観の結果にも反映されると想定した。


◆2016年度の設備投資計画(全規模全産業、見込み)は前年度比+1.6%となり、12月短観(同+1.8%)から小幅に下方修正されると予想する。これは、3月日銀短観において、大企業製造業および中堅企業製造業において設備投資計画が下方修正されるという「統計上のクセ」があることによる。

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