サマリー
◆2016年12月の企業関連の指標を見ると、鉱工業生産指数は前月比+0.7%と前月から上昇した。また、機械受注(船舶・電力を除く民需)は同+6.7%と2ヶ月ぶりに増加した。製造業が同+1.0%と増加したことに加えて、非製造業(船舶・電力を除く)も同+3.5%となり、全体の増加をけん引した。
◆2016年12月の家計関連の指標を見ると、実質消費支出は前月比▲0.6%と3ヶ月連続で減少した。需要側から見た個人消費は緩やかに減速基調を辿っている。また、完全失業率(季節調整値)は前月から横ばいの3.1%、有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.02pt上昇し1.43倍であった。労働需給に関しては引き続きタイトな状況にあると言えるだろう。
◆今後発表される経済指標では、3月1日発表予定の10-12月期法人企業統計に注目している。7-9月期の設備投資(ソフトウェアを除く)は、前年比▲1.4%と14四半期ぶりに減少に転じたものの、均してみれば、高水準で推移する企業収益を背景に底堅い動きが続いている。設備投資の供給側統計である資本財出荷は増加基調にあるが、この点が需要側を映す法人企業統計でも確認されるかに注目したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日