サマリー
◆2016年11月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比▲5.1%と2ヶ月ぶりに減少し、市場コンセンサス(同▲1.7%)も下回った。製造業は同+9.8%と増加したものの、非製造業(船舶・電力を除く)が同▲9.4%と減少し、全体を押し下げた。
◆11月分のデータに関して、需要者別に受注を見ると、製造業は前月比+9.8%と4ヶ月ぶりに増加した。製造業の受注動向は、均してみると、横ばい圏で推移していると評価できよう。非製造業(船舶・電力を除く)は前月比▲9.4%と2ヶ月ぶりに減少した。非製造業の受注動向は、比較的高い水準を保っているものの、このところ一進一退で推移している。一方、外需は前月比+37.3%と4ヶ月連続で増加した。
◆設備投資の先行指標である機械受注は先行き、横ばい圏で推移する展開を予想している。依然力強さを欠く内需を背景として、製造業においては企業収益に頭打ち感が見られており、設備投資に対する慎重姿勢は強まりつつある。ただし、タイトな労働需給を背景とした合理化・省力化投資に加えて、非製造業においては、経常利益が高水準にあること、交通・物流インフラ整備向けの投資が期待されることなどが、今後の機械受注を下支えするプラス要素といえよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年7月機械受注
金融業・保険業、不動産業などの受注減で軟調な結果
2025年09月18日
-
2025年8月貿易統計
トランプ関税や半導体需要減の影響継続で輸出金額は4カ月連続減少
2025年09月17日
-
トランプ関税でインバウンドに黄色信号
中国人旅行客の伸びしろは大きいものの、他国の状況は厳しい
2025年09月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日