サマリー
◆労働力調査によると、2016年9月の完全失業率(季節調整値)は、前月から0.1%pt低下し、3.0%となった。失業者数は前月差▲8万人と2ヶ月ぶりに減少し、就業者数は同▲15万人と2ヶ月連続で減少した。また、非労働力人口は同+18万人と2ヶ月連続で増加した。
◆一般職業紹介状況によると、2016年9月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.01pt上昇し、1.38倍となった。一方、新規求人倍率は前月から0.07pt上昇し、2.09倍となった。9月の求人倍率の内訳を見ると、有効求職者数は前月比▲0.6%と3ヶ月ぶりに減少し、新規求職申込件数も同▲2.8%と2ヶ月連続で減少した。求人側を見ると、有効求人数は同+0.4%と2ヶ月ぶりに増加し、新規求人数も同+0.9%と2ヶ月ぶりに増加した。
◆先行きについて、労働需給はタイトな状況が続く見通しである。労働需給を需要と供給別に見ると、非製造業を中心とする人手不足感の継続によって、労働需要は高い水準で推移すると予想される。一方、労働供給については、足下で就業者数は増加基調にあるものの、一人当たりの労働時間は減少傾向にあり、マンアワーで見た労働投入量の増加は限定的である。ただし、労働需給はタイトな状況が続くものの、ほぼ完全雇用状態に達しているため、就業者数の増加ペースおとび失業者数の減少ペースは緩やかなものにとどまる可能性が高く、完全失業率の低水準での推移が続くとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日