サマリー
◆2016年9月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲6.9%と、12ヶ月連続で前年を下回ったが、前年比伸び率のマイナス幅は前月から縮小した。前月大幅に減少していた米国向け輸出数量がプラスに転じたことが、9月の輸出金額上振れの主因である。輸入金額は同▲16.3%と21ヶ月連続で前年を下回った。この結果、貿易収支は4,983億円と2ヶ月ぶりの黒字となった。なお、貿易統計の結果から推計すると、7-9月期のGDPに対する外需寄与度は、輸入減少を主因として大幅なプラス寄与となることが見込まれる。
◆季節調整値で見た輸出金額は前月比+0.3%と2ヶ月連続の増加、輸出数量は同+1.8%(季節調整値は大和総研)と3ヶ月ぶりの増加となった。輸出数量を地域別に見ると、米国向けが同+9.9%と、大幅に減少した前月から反発した。EU向けは同+1.6%と3ヶ月ぶりの増加、アジア向けは同▲1.6%と、2ヶ月ぶりの減少となった。品目別では、前月大幅に減少した米国向け自動車輸出台数が反発した。また、自動車部品輸出が米国向け、欧州向け、アジア向けで増加したことも輸出数量の押し上げに寄与した。
◆先行きの輸出は、強弱入り混じりながらも横ばい圏での動きを続ける公算が大きい。世界全体の緩和的な金融環境に支えられる形で家計消費関連需要は相対的に好調である一方、低稼働率と資源価格の低迷が続く中で企業部門需要に相当する素材・資本財の本格的な回復には相応の時間を要するだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
一時152円台に突入したドル円レート、日本経済への影響と円高の背景
10円の円高ドル安でGDPは▲0.16%も多くの企業・家計にはプラス
2026年09月09日
-
2026年9月日銀短観予想
AI・半導体需要で製造業は改善、非製造業はコスト増で悪化を予想
2026年09月09日
-
鉱工業生産は当面AI・航空・防衛関連需要がけん引
他方で、中東情勢等による下振れリスクに注意
2026年09月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

