サマリー
◆2016年6月の生産指数は前月比+1.9%と、2ヶ月ぶりの上昇となった。前月大幅に減少した反動による部分が大きいが、市場コンセンサス(同+0.5%)と比べても非常に強い結果である。また、生産予測調査で見ても7月:同+2.4%、8月:同+2.3%と増産が続く計画となっている。下方修正されやすい、はん用・生産用・業務用機械、情報通信機械の生産計画が強い点は割り引いて見る必要があるが、ICなどの輸出が増加基調にある、電子部品・デバイスの生産計画が強い点などから、一定程度の生産増が続くとみてよいだろう。
◆先行きの生産は一進一退の推移が続くとみている。勤労世帯の可処分所得および年金受給世帯所得の伸び悩みを背景に、個人消費は横ばい圏での推移が続くとみている。加えて、円高の進行を受けて企業の収益環境が悪化する中、国内設備投資の増加も、人手不足対応の省力化投資や研究開発・省エネ関連投資など、的を絞った内容となる可能性が高い。外需については、一部に堅調な品目がみられるものの、当面横ばい圏での推移が続くだろう。
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