2016年3月全国消費者物価

コアCPIは5ヶ月ぶりのマイナス。原油高という上昇気流には要注意

RSS

2016年04月28日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆2016年3月の全国コアCPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比▲0.3%となり、市場コンセンサス(同▲0.2%)を下回った。財・サービス別(4分類)の寄与度を見ると、いずれも押し下げに寄与しており、特にエネルギー価格を中心に非耐久消費財のマイナス寄与が拡大した影響が目立つ。


◆2016年4月の東京都区部コアCPI(中旬速報値)は、前年比▲0.3%(3月:同▲0.3%)と4ヶ月連続のマイナスとなった。4月の東京都区部コアCPIの結果を踏まえると、4月のコアCPIは前年比▲0.3%と見込まれる。


◆先行きのコアCPIの前年比は、マイナス圏での推移がしばらく続いた後、2016年2月半ば以降の原油高を背景に、早ければ夏ごろからプラス基調に転じると想定している。原油価格が2月を底に大きく反発し、それに伴い原油価格の前年比マイナス幅が、ドルベースおよび円ベースのいずれを見ても足下で急速に縮小しており、このことが波及ラグを伴いながら今後の消費者物価の押し上げ要因になると考えている。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。