サマリー
◆2016年3月の貿易統計では、輸出金額は前年比▲6.8%と6ヶ月連続の減少となった。季節調整値でみた輸出数量は前月比で横ばい圏での推移が続いているが、欧州向け輸出が特殊要因により大きく伸びた効果を除外して考えれば弱い数値である。輸入金額は原油関連製品を中心とした輸入価格の低下を背景に同▲14.9%と15ヶ月連続の減少となり、貿易収支は+7,550億円と2ヶ月連続の黒字となった。季節調整値でみた貿易収支も5ヶ月連続の黒字を記録している。
◆先行きの輸出は、強弱入り混じりながらも横ばい圏での動きを続ける公算が大きい。世界全体の緩和的な金融環境に支えられる形で家計消費関連需要は相対的に好調である一方、低稼働率と資源価格の低迷が続く中で企業部門需要に相当する素材・資本財の本格的な回復には相応の時間を要するだろう。また、年初来の円高進展を反映した輸出金額の伸び悩みと、円ベースでみた企業収益への影響には注意が必要である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年9月全国消費者物価
政策要因でコアCPI上昇率拡大も物価の上昇基調には弱さが見られる
2025年10月24日
-
2025年9月貿易統計
トランプ関税の悪影響続くも、円安効果で輸出金額は5カ月ぶり増加
2025年10月22日
-
2025年8月機械受注
非製造業(船電除く)を中心に弱含み、政府は基調判断を下方修正
2025年10月16日
最新のレポート・コラム
-
親子上場などに関する開示議論の再開
不十分な開示状況に対して、開示項目の記載必須化に向けた議論も
2025年10月27日
-
健康経営の新たな戦略基盤
従業員多様化時代のウェルビーイングプラットフォームの可能性
2025年10月24日
-
2025年9月全国消費者物価
政策要因でコアCPI上昇率拡大も物価の上昇基調には弱さが見られる
2025年10月24日
-
中国:新5カ年計画の鍵は強国と自立自強
基本方針は現5カ年計画を踏襲、構造問題の改革意欲は低下?
2025年10月24日
-
バブル期と比較しても、やはり若者が貧しくなってはいない
~未婚若年層の実質可処分所得・1980年からの超長期比較版
2025年10月27日
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日

