2016年2月全国消費者物価

コアCPIは横ばい。原油価格に大きく揺さぶられる展開へ

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2016年03月25日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆2016年2月の全国コアCPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比0.0%と横ばいとなり、市場コンセンサス(同0.0%)通りの結果になった。財・サービス別(4分類)の寄与度は、いずれも小幅な変化に留まっており、目立った動きは見られない。


◆2016年3月の東京コアCPI(中旬速報値)は、前年比▲0.3%(2月:同▲0.1%)と3ヶ月連続のマイナスとなり、マイナス幅も拡大した。3月の東京コアCPIの結果を踏まえると、2016年3月のコアCPIは前年比▲0.1%と見込まれる。


◆先行きのコアCPIの前年比は、今後一旦マイナス圏に転じ、しばらく軟調な推移が続くと想定している。昨年後半までの食料品、日用品、外食の値上げの影響や、耐久消費財の上昇が引き続き消費者物価の押し上げ要因として残るものの、2015年末以降の円高と原油安のダブルパンチによる物価下押し圧力が増大するためである。


◆日本銀行は、2016年1月29日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」において、インフレ目標が実現する想定時期を2016年度後半頃から2017年度前半頃へと後ずれさせた。しかし、原油価格が一段と上昇しない限り、そのハードルは依然として高いと評価できる。

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