サマリー
◆2015年10-12月期の全産業(金融業、保険業除く)の経常利益は前年比▲1.7%となり、2011年10-12月期以来の前年割れを記録した。売上高が同▲2.7%と減少に転じたことに加え、原油安を主因とした変動費要因による経常利益の押し上げ寄与が縮小したことが減益要因となった。
◆2015年10-12月期の全産業(金融業、保険業除く)の設備投資(ソフトウェア除く)は前年比+8.9%と11四半期連続で増加を維持したものの、増加幅は前期(同+11.2%)から縮小した。季節調整値で見ても、前期比▲0.0%と僅かながらも2四半期ぶりの減少となった。季節調整値の動きを業種別に見ると、製造業は同+0.1%、非製造業は同▲0.1%となっており、いずれも概ね横ばい圏の推移であった。依然として加速感は見られないものの、前期にやや高めの伸びを記録していたことを考慮すると、設備投資は底堅い結果であったと判断できる。
◆今回の法人企業統計の結果を受けて、10-12月期GDP二次速報(3月8日公表予定)では、実質GDP成長率が前期比年率▲1.6%(一次速報:同▲1.4%)となり、一次速報から下方修正されるとみている。公共投資、在庫投資、設備投資といった項目が下方修正されることで、全体が押し下げられる公算だ。
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