サマリー
◆2016年1月の全国コアCPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比0.0%と概ね横ばいとなり、市場コンセンサス(同0.0%)通りの結果になった。前月からプラス幅が縮小したのは、需要の弱さなどを背景に耐久消費財の伸びが鈍化したことによる。
◆2016年2月の東京コアCPI(中旬速報値)は、前年比▲0.1%(2016年1月同▲0.1%)と2ヶ月連続のマイナスとなった。東京コアCPIの結果を踏まえると、2016年2月のコアCPIは前年比▲0.1%と見込まれる。
◆先行きのコアCPIの前年比は、再びマイナス圏に転落し、その後もマイナス幅が緩やかに拡大すると見込まれる。昨年後半までの食料品、日用品、外食の値上げの影響や、耐久消費財の上昇が引き続き消費者物価の押し上げ要因として残るものの、2015年末以降の円高と原油安のダブルパンチによる物価下押し圧力が増大するためである。
◆日本銀行は、2016年1月29日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」において、インフレ目標が実現する想定時期を2016年度後半頃から2017年度前半頃へと後ずれさせたが、コアCPIの動向を勘案すると、そのハードルは依然として高いと評価できる。こうした中、金融市場では、日本銀行と政府に対し、追加の金融緩和および予算の前倒し執行に対する期待感が一層強まると予想する。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日