サマリー
◆2015年12月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比+4.2%と2ヶ月ぶりに増加し、市場コンセンサス(同+4.4%)と概ね一致した。また、10-12月期の実績は前期比+4.3%であり、内閣府が公表していた見通しの同+2.9%は上回った。10-12月期の実績は持ち直したものの、前期比で同▲10.0%減少した7-9月期の後であり、水準的にはそれほど高くない。
◆12月分のデータに関して、需要者別に受注をみると、製造業は前月比▲3.4%と2ヶ月連続で減少した。ただし、均してみると横ばい圏での推移が継続していると評価できる。非製造業(船舶・電力を除く)は前月比+8.5%と2ヶ月ぶりに増加した。
◆先行きの機械受注は、緩やかながら増加基調に復すると予想している。12月日銀短観で、製造業は設備投資に対して慎重になっている一方で、非製造業の投資意欲は健在であることが示された。堅調な内需に支えられた非製造業において、人手不足に対応した省力化・省人化投資が行われることが期待される。加えて、日銀がマイナス金利を導入したことを受けて、企業の資金調達コストが低下する見通しであることも設備投資を下支えしよう。ただし、足下で世界経済に対する先行き不透明感が一段と強まっている点が気がかりだ。外部環境の悪化を受け、輸出関連企業を中心とした製造業が設備投資に対して慎重姿勢を強める可能性がある点には留意しておきたい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日