サマリー
◆2015年11月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比▲14.4%と3ヶ月ぶりに減少し、市場コンセンサス(同▲7.3%)も下回った。11月の結果は、9月、10月に大幅増となった反動の影響があったものと考えられる。
◆11月分のデータに関して、需要者別に受注をみると、製造業は前月比▲10.2%と2ヶ月ぶりに減少した。10月の大幅増(同+14.5%)の反動の影響があるとみられ、3ヶ月移動平均で均してみると、低水準ながら横ばい圏での推移が継続していると判断できる。非製造業(船舶・電力を除く)は前月比▲18.0%と3ヶ月ぶりに大幅減となった。
◆先行きの機械受注は、横ばい圏での推移を予想している。12月日銀短観では、製造業は設備投資に対して慎重になっている一方で、非製造業の投資意欲は健在であることが示された。堅調な内需に支えられた非製造業において、人手不足に対応した省力化・省人化投資が行われることが期待される。一方、足下で中国の景気減速懸念が再燃している点が気がかりだ。世界経済に対する先行き不透明感が強まれば、輸出関連企業を中心とした製造業が設備投資に対して一段と慎重姿勢を強める可能性がある点には留意しておきたい。
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