11月貿易統計

アジア・EU向け輸出数量が大きく回復

RSS

2015年12月17日

  • 小林 俊介

サマリー

◆2015年11月の貿易統計では、輸出金額は前年比▲3.3%と2ヶ月連続の減少となった。しかし季節調整値で見れば底打ち感が見られ始めており、必ずしも悪い結果ではない。輸出数量を地域別にみると、アジア向け、EU向けの増加が大きい。輸入金額は同▲10.2%と11ヶ月連続の減少となり、貿易収支は▲3,797億円と2ヶ月ぶりの赤字となった。


◆今月の結果は、海外需要が最悪期を脱したことを確認させる内容であった。米国では家計部門を中心に底堅い景気拡大が続いており、耐久財等の輸出は増加傾向が続くだろう。欧州向け輸出については、原油価格下落やECBによる量的緩和の効果などから持ち直しており、均してみれば回復基調が継続すると見込んでいる。アジア経済に関しては、中国の預金準備率引き下げや利下げなどによる実体経済の底上げが確認され始めており、消費財などを中心に一段の需要減少は回避される公算が大きい。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。