9月消費統計

個人消費は一部に弱さがみられるものの、横ばい圏で推移

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2015年10月30日

  • 岡本 佳佑
  • 小林 俊介

サマリー

◆2015年9月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲1.3%と3ヶ月ぶりに減少した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)も同▲1.8%と3ヶ月ぶりに減少した。


◆実質消費支出の動きを費目別にみると、「住居」(前月比+9.0%)、「被服及び履物」(同+4.6%)が増加した一方、「交通・通信」(同▲4.1%)や「光熱・水道」(同▲5.0%)などが前月から減少した。「被服及び履物」については、9月前半の天候不順を背景に、秋物衣料に対する需要が強まったことが一因とみられる。一方、「交通・通信」については、自動車等維持がマイナスに寄与した模様である。


◆先行きの個人消費は所得環境の改善等を背景に、次第に持ち直すとみている。物価の影響を除いた実質賃金が前年同月比で増加を継続するなど、今春のベースアップの効果が着実に現れており、賃金は今後も緩やかながら増加基調をたどるとみられる。また、年金改定率も上昇に転じたことが、高齢者の消費を下支えする見込みである。

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