サマリー
◆2015年7月の生産指数は前月比▲0.6%となり、2ヶ月ぶりの低下となった。市場コンセンサス(同+0.1%)対比でも下振れしている。出荷指数も同▲0.3%と2ヶ月ぶりに低下したが、在庫率指数は同▲1.1%と2ヶ月連続で低下した。今回の結果は、日本経済の踊り場傾向を確認させる内容である。輸出の停滞と、それを端緒とした在庫の積み上がりにより生産は調整局面を迎えており、底這いが続いている。しかし結果として在庫調整が緩やかに進展しつつあるのもまた事実である。
◆先行きの生産については、一旦の調整を経たのち、趨勢としては再度増産傾向に転じると見込んでいる。外需については緩やかな回復が見込まれる。米国はドル高と原油安により資本財需要の調整が続いているが、消費財需要等の堅調さは維持されていくだろう。ユーロ圏はユーロ安・原油安・金融政策の三本柱で回復傾向を強めていくとみられる。中国をはじめとする新興国についてもドル金利上昇の一服や国内金融政策の効果などもあり底入れの兆しが見られ始めている。内需についても、国内設備投資の増勢継続や、勤労世帯および年金受給世帯の実質所得環境改善に伴う消費の改善を受けて回復傾向を見込んでいる。
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