6月雇用統計

雇用情勢はタイトな状況が続いている

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2015年07月31日

  • 永井 寛之
  • 小林 俊介

サマリー

◆労働力調査によると、2015年6月の完全失業率(季節調整値)は、前月から0.1%pt上昇し、3.4%となった。失業者数は、前月差+4万人と5ヶ月ぶりに増加し、就業者数は同+34万人と2ヶ月連続で増加した。また、非労働力人口は同▲35万人と2ヶ月連続で減少した。


◆一般職業紹介状況によると、2015年6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.19倍となった。また、新規求人倍率も前月から横ばいの1.78倍となった。6月の求人倍率の内訳を見ると、有効求職者数(前月比▲0.6%)は4ヶ月連続で減少し、新規求職申込件数(同▲0.6%)は3ヶ月ぶりに減少した。求人側を見ると、有効求人数が同▲0.7%と3ヶ月ぶりに減少し、新規求人数も同▲0.4%と3ヶ月ぶりに減少した。


◆雇用情勢はひっ迫した状況が続いている。失業率は前月から悪化したものの、労働市場への参加者が増加したことに加え、就業者も増加しており、内容は悪くない。有効求人倍率、新規求人倍率ともに横ばいで依然として高い水準を推移している。6月の日銀短観の雇用人員判断DIでは、中小企業や非製造業を中心に依然として雇用不足感が強く、先行きについては一層の雇用不足を見込む結果となっている。このため、企業の旺盛な労働需要を背景に、完全失業率や有効求人倍率に見る労働需給はひっ迫感の強い状況が続くと見込んでいる。

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