サマリー
◆2015年5月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.1%と、市場コンセンサス(同+0.0%)を小幅に上回った。総じて見ると、エネルギー価格の下押し圧力が続く中で、コアCPIの前年比はここしばらくの間ゼロ近傍での推移が続いている。
◆2015年6月の東京コアCPI(中旬速報値)は、前年比+0.1%と前月(同+0.2%)からプラス幅が縮小した。財・サービス別に見ると、「エネルギー」のマイナス寄与が拡大したこと、公共サービスを中心に「サービス」のプラス寄与が縮小したことが主因。東京コアCPIの結果を踏まえると、6月のコアCPIは前年比▲0.1%となる見込みである。
◆先行きのコアCPIの前年比は、昨年夏場以降の原油安に伴うエネルギー価格の下押し圧力が残ることから、当面は前年比ゼロ近傍での推移が見込まれる。さらに、「電気代」の押し下げ寄与が顕在化すると見込まれる夏場は、小幅なマイナス圏で推移しよう。
◆関西電力は6月1日に再値上げを実施しており、その影響を機械的に計算すると、6月のコアCPIを0.03%pt弱押し上げるという結果が得られ、全体への影響は小さなものに留まるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4月全国消費者物価
エネルギー高対策の補助縮小や食料価格高騰が物価を押し上げ
2025年05月23日
-
AI時代の日本の人的資本形成(個人編)
AI時代を生き抜くキャリア自律に向けた戦略
2025年05月22日
-
2025年3月機械受注
民需(船電除く)は事前予想に反して2カ月連続で増加
2025年05月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日