12月雇用統計
雇用環境が大幅な改善
2015年01月30日
サマリー
◆労働力調査によると、2014年12月の完全失業率(季節調整値)は、前月から▲0.1%pt低下の3.4%となった。雇用者数は、前月差+49万人と3ヶ月ぶりに増加し、自営業主・家族従業者を含めた就業者数を見ても、同+43万人と3ヶ月ぶりの増加となった。今後、緩やかに景気拡大が続く中、雇用者数・就業者数は、増加基調が続く見込みだ。
◆一般職業紹介状況によると、2014年12月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から+0.03pt上昇し、1.15倍となった。また、新規求人倍率は前月から+0.13pt上昇し1.79倍となった。労働需給の逼迫感が高まっていることを確認できる結果だった。
◆12月の雇用関連統計を総じて見ると、雇用環境が大幅に改善したと判断できる。企業の雇用不足感が高まり、先行きについても一層の雇用不足を見込む結果だった12月日銀短観と整合的な結果である。完全雇用に近づきつつあることから、就業者数の増加や失業者数の減少ペースが鈍化する可能性もある。しかし、緩やかに景気拡大が進む中、原油安の影響で企業の経営環境が改善していることもあり、失業率や有効求人倍率に見る労働需給はさらにタイトになるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年07月05日
ロシア国債デフォルト騒動の本質
返済能力も意思もあるロシア政府は徹底抗戦の構え
-
2022年07月04日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
-
2022年07月01日
2022年5月雇用統計
失業率は4カ月ぶりに上昇するも、均して見れば雇用環境は改善傾向
-
2022年07月01日
2022年6月日銀短観
外部環境悪化と国内経済活動再開が製・非製の業況の明暗を分ける
-
2022年07月05日
金融サービスにおける「ナッジ」活用の功罪
よく読まれているリサーチレポート
-
2022年05月06日
FOMC 0.50%ptの利上げとQTの開始を決定
少なくとも7月のFOMCまでは毎回0.50%ptの利上げが続く見込み
-
2022年04月21日
日本経済見通し:2022年4月
資源高と「悪い円安」が重石に/日米で異なるインフレの特徴
-
2022年03月22日
日本経済見通し:2022年3月
ウクライナ情勢の緊迫化による日本・主要国経済への影響
-
2022年05月24日
中国:ゼロコロナ政策下の中国経済の行方
年後半は明確に回復も22年は4.5%程度の実質成長にとどまると予想
-
2022年04月22日
景気は良いのか悪いのか