7月貿易統計

貿易赤字はわずかに縮小、輸出数量は依然伸び悩み

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2014年08月20日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2014年7月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+3.9%と3ヶ月ぶりに前年を上回り、概ね市場コンセンサス(同+3.8%)に沿った結果となった。輸出金額を季節調整値で見ると、前月比+1.5%と2ヶ月連続で増加した。輸出価格の低下を主因に2013年末以降、輸出金額は緩やかに減少してきたが、輸出価格が足下で上昇に転じており、輸出金額は持ち直しの動きが見られている。


◆7月の輸入金額は、前年比+2.3%と2ヶ月連続で前年を上回った。輸入数量が前年比▲0.4%と2ヶ月ぶりの前年割れとなる一方で、輸入価格が同+2.7%と上昇幅を拡大したことが輸入金額を押し上げた。


◆貿易収支は▲9,640億円の赤字となったものの、輸出の伸びが輸入の伸びを上回ったことで赤字幅は2ヶ月ぶりに前年に比べて縮小した。また、季節調整値で見た貿易収支も▲1兆238億円となり、わずかながら赤字幅が前月から縮小する結果となった。


◆輸出数量指数を季節調整値で見ると(季節調整は大和総研による)、前月比▲0.1%と2ヶ月ぶりの低下となった。輸出数量については依然横ばい圏での推移が続いている。

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