サマリー
◆2013年10月の全国CPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比+0.9%と、市場コンセンサス(同+0.9%)通りの結果となった。市況要因を除いた物価動向を表すCPI(食料(除く酒類)及びエネルギーを除く総合、以下コアコアCPI)が前年比+0.3%と、プラス圏へ浮上したことが、コアCPIの上昇幅が前月から拡大した要因である。
◆2013年11月の東京都区部コアCPIは前年比+0.6%と、7ヶ月連続の上昇となり、上昇幅は前月から拡大した。耐久財が前年比+1.1%と、1991年10月以来のプラスに転じたことが大きい。東京都区部コアCPIを踏まえると、2013年11月の全国コアCPIは前年比+1.1%となる見込み。
◆先行きについては、コアCPIは前年比+1%程度の上昇が続くとみられる。これまでコアCPIを押し上げてきたエネルギーに関しては、円安を背景とした輸入価格上昇による押し上げが徐々に剥落していくこととなるため、年末をピークに寄与が縮小していく見込みである。一方、エネルギー以外の物価に関しては、景気回復によるGDPギャップの改善に沿う形で、緩やかに上昇幅が拡大していく公算が大きい。また、このところ食品等でみられている原材料価格の上昇を販売価格に転嫁する動きは、今後も続くとみられ、コアCPIの押し上げに作用する見込みである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4月全国消費者物価
エネルギー高対策の補助縮小や食料価格高騰が物価を押し上げ
2025年05月23日
-
AI時代の日本の人的資本形成(個人編)
AI時代を生き抜くキャリア自律に向けた戦略
2025年05月22日
-
2025年3月機械受注
民需(船電除く)は事前予想に反して2カ月連続で増加
2025年05月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日