10月貿易統計

輸出数量は2ヶ月ぶりの増加となったものの、伸び悩みが続く

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2013年11月20日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆2013年10月の貿易統計は、輸出金額が前年比+18.6%と8ヶ月連続の増加となり、市場コンセンサス(同+16.2%)を上回った。輸出金額を価格と数量に分けて見ると、輸出価格が前年比+13.6%と、大幅な上昇が続いていることに加え、輸出数量が前年比+4.4%と2ヶ月ぶりに前年を上回ったことが輸出金額を押し上げた。輸出金額を季節調整値で見ると、前月比+1.5%と2ヶ月ぶりの増加となった。3ヶ月移動平均値で見ても11ヶ月連続の増加となっており、増加傾向が続いている。


◆輸出数量指数を季節調整値で見ると(季節調整は大和総研による)、前月比+1.1%と、2ヶ月ぶりの上昇となった。地域別に見ると、EU向けは減少したものの、米国向けおよびアジア向けが増加したことが全体を押し上げた。EU向けの輸出数量は、景気底打ちを受けて増加傾向にあったが、景気回復には減速も見られており、一時的に弱含んでいる。米国向け、アジア向けに関しても、輸出数量は一進一退の動きとなっており、輸出数量全体としては横ばい圏での推移が続いている。


◆米国、欧州では景気拡大が続く可能性が高いことに加え、新興国では為替レートの変動に落ち着きが見られており、経済も安定化する見込みである。輸出数量は増加傾向に復するとみている。

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