2月機械受注

2ヶ月ぶりの増加となったが、基調は弱い

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2013年04月11日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆2月の機械受注では、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比+7.5%と2ヶ月ぶりのプラスとなり、市場コンセンサス(同+6.9%)を上回った。ただし、基調を確認するために3ヶ月移動平均で見ると、2ヶ月連続のマイナスとなっていること、民需の60%以上を占める非製造業からの受注が低位で推移していることなどから、機械受注は弱含みが続いているとみている。


◆需要者別の内訳を見ると、製造業は前月比+8.6%と2ヶ月ぶりの増加、非製造業(船舶・電力を除く)は前月比+0.6%と3ヶ月ぶりのプラスとなった。素材系業種からの受注の増加と、「電気機械」の大幅増加が全体を押し上げている。一方で、非製造業では減少の続く業種が多く、単月ではプラスとなったものの内容は良くない。


◆外需は前月比+8.0%と3ヶ月ぶりに増加した。足下では米国向けの増加を主因に一般機械の輸出金額が下げ止まりつつあり、外需は2012年8月頃を底に、緩やかに増加傾向にあるとみている。


◆GDPベースの設備投資は2013年1-3月期には増加する見込みであるものの、機械受注は弱含みが続いていること、為替が円安に振れてから輸出数量が増加するまでは概ね半年程度のラグがあることなどから、設備投資の本格回復は2013年半ば以降になるだろう。その後は、海外経済の回復、足下で急速に円安方向に振れている為替の追い風を受けた輸出の増加、賃金上昇による内需の堅調な増加などから、設備投資も緩やかに増加傾向が続くとみている。

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