サマリー
◆2月の機械受注では、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比+7.5%と2ヶ月ぶりのプラスとなり、市場コンセンサス(同+6.9%)を上回った。ただし、基調を確認するために3ヶ月移動平均で見ると、2ヶ月連続のマイナスとなっていること、民需の60%以上を占める非製造業からの受注が低位で推移していることなどから、機械受注は弱含みが続いているとみている。
◆需要者別の内訳を見ると、製造業は前月比+8.6%と2ヶ月ぶりの増加、非製造業(船舶・電力を除く)は前月比+0.6%と3ヶ月ぶりのプラスとなった。素材系業種からの受注の増加と、「電気機械」の大幅増加が全体を押し上げている。一方で、非製造業では減少の続く業種が多く、単月ではプラスとなったものの内容は良くない。
◆外需は前月比+8.0%と3ヶ月ぶりに増加した。足下では米国向けの増加を主因に一般機械の輸出金額が下げ止まりつつあり、外需は2012年8月頃を底に、緩やかに増加傾向にあるとみている。
◆GDPベースの設備投資は2013年1-3月期には増加する見込みであるものの、機械受注は弱含みが続いていること、為替が円安に振れてから輸出数量が増加するまでは概ね半年程度のラグがあることなどから、設備投資の本格回復は2013年半ば以降になるだろう。その後は、海外経済の回復、足下で急速に円安方向に振れている為替の追い風を受けた輸出の増加、賃金上昇による内需の堅調な増加などから、設備投資も緩やかに増加傾向が続くとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年12月日銀短観
AI需要増を背景に製造業の業況は改善/先行きは日中関係悪化に警戒
2025年12月15日
-
「責任ある積極財政」下で進む長期金利上昇・円安の背景と財政・金融政策への示唆
「低水準の政策金利見通し」「供給制約下での財政拡張」が円安促進
2025年12月11日
-
2025年12月日銀短観予想
輸出不振や原材料高で製造業の業況判断DI(最近)は悪化を見込む
2025年12月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

