2月雇用統計

失業率は悪化も、改善基調は継続

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2013年03月29日

サマリー

◆2月の完全失業率(季節調整値)は4.3%となり、前月から0.1%pt 悪化した。失業者数は前月から5万人増加したものの、就業者数は9万人の増加となった。2月の有効求人倍率(季節調整値)は0.85 倍となり前月と同水準であった。今月の失業者数の増加は、労働市場の改善を写し、非労働力人口の労働力化が進んだことが一部寄与したと考えられる。そのため、雇用関連統計を総じて見ると、改善基調が引き続き継続していると判断される。


◆就業者数(季節調整値)は、前月差+9万人と2ヶ月連続の増加となった。業種別に見ると、製造業の就業者数は前月差+7万人、建設業は同+22万人の増加。医療・福祉は前月差▲6万人と減少したものの、幅広い業種での就業者数の増加であったことから、雇用環境全体の改善を確認する内容であった。


◆海外景気の回復に加え、足下での円安基調から、輸出の増加が見込まれる。輸出の増加に伴って、生産が回復してくれば企業収益の改善が期待されることから、足下での雇用環境の改善基調は引き続き継続すると見込んでいる。ただし、今後のリスク要因としては、中小企業金融円滑化法の期限到来が挙げられる。法の期限到来に伴う中小企業の経営環境が雇用環境に与える影響には、注意が必要である。

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