サマリー
◆2月の完全失業率(季節調整値)は4.3%となり、前月から0.1%pt 悪化した。失業者数は前月から5万人増加したものの、就業者数は9万人の増加となった。2月の有効求人倍率(季節調整値)は0.85 倍となり前月と同水準であった。今月の失業者数の増加は、労働市場の改善を写し、非労働力人口の労働力化が進んだことが一部寄与したと考えられる。そのため、雇用関連統計を総じて見ると、改善基調が引き続き継続していると判断される。
◆就業者数(季節調整値)は、前月差+9万人と2ヶ月連続の増加となった。業種別に見ると、製造業の就業者数は前月差+7万人、建設業は同+22万人の増加。医療・福祉は前月差▲6万人と減少したものの、幅広い業種での就業者数の増加であったことから、雇用環境全体の改善を確認する内容であった。
◆海外景気の回復に加え、足下での円安基調から、輸出の増加が見込まれる。輸出の増加に伴って、生産が回復してくれば企業収益の改善が期待されることから、足下での雇用環境の改善基調は引き続き継続すると見込んでいる。ただし、今後のリスク要因としては、中小企業金融円滑化法の期限到来が挙げられる。法の期限到来に伴う中小企業の経営環境が雇用環境に与える影響には、注意が必要である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
-
2025年3月鉱工業生産
自動車工業や電気・情報通信機械工業など10業種が前月から低下
2025年04月30日
-
急速に広がる資格情報等のデジタル化
利用時に気をつけるポイントと求められるデジタルリテラシー
2025年04月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日